身体の固さは私達の健康に大きく関わってきます。身体が固いと怪我をしやすくなってしまうだけでなく、腰痛などを引き起こす原因となってしまいます。
身体の固さと腰痛
腰痛の原因はさまざまで、腰が痛いからと言っても、腰そのものが悪いとは限りません。もちろん、腰回りの骨や筋肉に以上がある場合もありますが、それ以外の部位の異常が原因で腰痛を引き起こしている場合があります。
私達の身体は多数の部位や関節が連動しあって機能しています。そのため、歩くという動作1つをとっても、腰と股関節が上半身を支え、膝や足首の筋肉や関節を曲げたり伸ばしたりするなど、それぞれが役割を持って稼働しています。そのため、その動作をするために使用する部分の1箇所でも不具合が生じると、その歪みは連動している他の部位に悪影響を与えることになります。そして腰は身体の中心にあることから、さまざまな動作の要になっており、腰以外の不具合のカバーをすることが多い場所でもあります。その負担の積み重ねが疲労や炎症に繋がり、腰痛を引き起こしてしまうのです。
この場合の体の異常は怪我なども含まれますが、多くの場合は身体が硬いことによる可動域の低下が原因となっています。
股関節の固さと腰痛
身体の固さが原因で腰に影響を1番与えやすい部位は股関節です。股関節は腰と同じ様に身体の中心部に位置し、上半身と下半身をつないでいる重要な部位です。股関節は腰とともにあらゆる動作のサポートをし、常に身体の体重を支えています。位置する場所も近く、同じ働きを担うからこそ、股関節に異常が発生すると、腰にダイレクトに影響が出てしまいます。股関節が固くなり、可動域が狭くなってしまった場合、その動きの補助をするのが腰です。その補助が長く続けば負担に変わり、それが腰痛の原因となってしまうのです。
股関節は動かさなければ動かさないほど、どんどん固くなってしまいます。特にデスクワークの方は長時間座っている時間が長いため股関節が固くなりやすい傾向があります。
股関節の固さをチェックしよう
固くなった股関節を柔らかくする前に、まずは自分の股関節がどれほど固くなっているかチェックしてみましょう。方法はとても簡単です。まず、床に座り、長座の姿勢をとります。この時、膝はしっかりと伸ばしておきましょう。次に、後ろに倒れないように意識しながら左右に足を開脚していきます。この時どれくらい足を開く事ができるかによって、股関節の固さレベルをはかることができます。
120度以上開けている人はとても理想的な股関節の柔軟度を保っています。90度以上120度未満の人はやや固い、60度以上90度未満の人は固い、0度以上60度未満の方はとても固いという具合になります。前述の通り、股関節は動かさなければ固くなってしまうため、昔はもっと開けたのにと愕然とする人も少なくありません。
股関節を柔らかくする方法
股関節を柔らかくするためにはストレッチが有効です。肩幅よりも少し広めに足を開き、つま先を外側に向けて立ちます。その姿勢を保ったまま腰を軽く落とし、両手を太ももの内側の膝に近い部分において上半身を支えます。この時、背中はピンと伸ばし、丸くならないように注意しましょう。そして両手に上半身の重みを感じながら、右肩を内側にひねるようにしてねじ込みます。ねじ込むのと同時に、右手で太ももを外側に押すように股関節を伸ばします。10秒間キープしたら、左側も同じ様にストレッチします。以上が立った状態で行うストレッチの方法です。
次に座った姿勢で行うストレッチです。床に座り、骨盤を立てながら足を開脚していきます。この時、できるだけ膝を曲げないように注意しながら、自分が開ける限界のところまで足を開くようにしてください。しっかりと足が開けたら、背筋を伸ばしたまま、可能な限り上体を倒します。背筋や太ももの裏側が伸びているのを感じながら、その体勢を10秒キープします。10秒経ったら上体をおこして緩め、再度上体を倒します。これを5回繰り返しましょう。このストレッチは股関節以外にもハムストリングスをしっかりほぐすことができます。ハムストリングスの硬直も腰痛と大きく関係しているので、慢性的な腰痛に悩まされている人にはとても有効的なストレッチ方法です。
身体のバランスを整えることが大切です
股関節に限らず、身体が固くなると可動域が低下するだけでなく、身体のバランスも悪くなってしまいます。今回は腰痛に影響が出やすい股関節周りについてお話しましたが、肩や腕、首などその他の部分のどれが固くなったとしても腰へ影響する可能性はあります。そのため、全身バランス良く、柔軟体操を行うのが理想的です。日常的に運動を取り入れている方でも、柔軟をおろそかにしている人はたくさんいます。いつまでも元気な足腰を保つためにも、柔軟体操やストレッチを生活に取り入れるようにしましょう。